先生の秘薬
保健室のドアが開いた。


「おまたせ。
 あ、逢坂先生
 戻っていらしたんですね。」


伊波先生が戻ってきた。


「伊波先生!
 俺が家まで送ります!!」


逢坂先生のシルエットが消え

伊波先生のほうに

近づきながらそう言った。



「・・・・
 ダメです。」


「どうしてですか!!」


「落ち着きなさい
 逢坂先生。
 今のあなたは
 冷静じゃない。」


「大丈夫です!
 送らせて下さい!!」


「ダメです。
 譲れません。
 逢坂先生、
 あなたは教師です。
 わきまえて下さい。

 逢坂先生、
 僕のことを
 どう思っていますか?」


「え?」


「僕を信じて、
 すべて僕にまかせて
 もらえませんか。」


「・・・・
 悠月を・・お願いします。」




そう少し辛そうに言った

逢坂先生は保健室を

出て行った。

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