先生の秘薬
「はい、乗って下さい。」


そう言って

案内されたのは

普通の白い乗用車。


「学校の車なので
 かっこよくは
 ないですけど。」



そう言って伊波先生が

少し笑った。


そして伊波先生は

静かに車を発進させた。



無言の車内。



私は流れる景色を

ただ見つめていた。


どれほど経った頃だろう。


伊波先生が話しはじめた。


「美倉さんは感じてますか?
 逢坂先生と君が
 同じ雰囲気を
 まとっていること・・・」


「・・・・。」


「君は・・・
 何を背負って
 いるんでしょうね・・・。」




君・・・は?


は・・・ってことは・・・。

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