先生の秘薬
私の叫び声に

驚くような顔で振り返る

久遠先生。


私は久遠先生に

駆け寄って

先生の両腕を

つかんだ。


「先生の・・・
 先生の夏休みを
 私に5日間下さい!!」


私は久遠先生の顔を

見上げるかたちで

必死に訴えた。



「え?!!//」


久遠先生が

少し赤くなりながら

驚いた顔をしている。


「先に行ってますね。」


伊波先生が久遠先生に

そう言ってその場から

立ち去った。


「だ、ダメですか??」


「い、いや・・・
 ダメということは・・
 ない・・けど//
 と、とりあえず!
 明日ちゃんと
 話しをしましょう!
 明日は午後なら
 化学準備室に
 いますから
 来てもらえますか?」


「はい・・。」


「じゃあ、急ぐから
 今日はこれで・・・
 明日必ず来て下さいね!」



久遠先生は

そう言って

走り去って行った。



い、言えた・・・。



私は緊張から

解き放たれて

廊下にへたりこんだ。
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