あおぞら。
ある春の日のこと
ごく普通に生きてきました。
勉学に励み、友情を育み、恋に恋して
18年間、一般的に生きてきました。
「お前はまだ就職が決まらないのか、藤堂。」
「はい」
高校最後の冬、1月。
3月には卒業を控えている。
同級生が4月から始まる輝く新生活の準備に勤しんでいる中、わたしの未来はまだまだ真っ暗だった。
「お前は成績も悪くはないし、持病を持ってるわけでもなく体は至って健康、それなのに内定が取れない理由はなんだと思う?」
「なぜでしょう」
「それはお前が一般的すぎるからだっ!!」
「否めません。」
忙しい時期であろう担任の先生が、わざわざわたしのために時間を割いて直々にご指導いただき、正直余計なお世話だと思ってしまうわたしは罪深いでしょうか。