あおぞら。
「随分凝ってる店なんですね、メッセージカードなんて」
「なんか嬉しいしょ?だから来ちゃうんだ。マルチョウも美味いし」
席に着くと、店員がドリンクの注文を聞きに来て、2人ともウーロン茶をお願いした。
「ほら、これだよマルチョウ」
開いたメニュー表を見ると、大きな写真には炭火で焼かれている白くて丸いもので、“マルホルモン”と名前が書かれている。
ホルモンの食べにくい印象とは異なっていて、非常に柔らかそうなものだった。
「今のうちになに頼むか決めとこ。なんか好きなのある?」
「豚トロがいいです」
「お、わかったー。じゃああとは俺テキトーに決めちゃうね」
程なくして店員がウーロン茶2つを持ってきた。
そのタイミングで沢田さんがぽんぽん注文していく。
随分来なれているんだなぁと感心した。
わたしとは大違いだ。
「でさ、貸した本面白かったしょ?!やっぱあの人の書く本て面白いんだよなー」
「はい!わたし第2章のラストあたりが大好きで…」
しばらくは本の話で盛り上がった。