あおぞら。
話の途中で、お待ちかねのマルホルモンとやらがきた。
「きたー!やった美味そう!」
沢田さんは嬉しそうに声をあげながら、すぐさまトングでマルホルモンを七輪に乗せていく。
マルホルモンは火が通ってくるとうっすら肌色っぽくなっていき、色味はホルモンみたいだが、丸い形がやはりホルモンのイメージとかけ離れている。
沢田さんが「そろそろかな」と呟くと、焼けた500円玉ほどのサイズの一番大きなマルホルモンをわたしの皿に乗せ、「はい、どーぞ」と言った。
「えぇっ、こんな大きいのいらないです!食べてみて好きじゃなかったらもったいないです!沢田さん食べてください!」
「これを好きじゃないなんてことそうそうないよ、俺が保証するから食べて」
わたしは恐縮したが、沢田さんの好意に甘えて大きなマルホルモンをタレにつけ、ぱくりと食べてみた。
口の中で、マルホルモンがとろける感覚。
ホルモンにあるまじき、プリプリとした食感。
「うまっ!!」
「でしょ?!」
“ホルモンの革命”
抽象的だが間違いなく的を射ていた。