あおぞら。
沢田さんに手を引かれて着いたのは、店内の一角にあるプリクラコーナーだった。
「チュープリ、撮ろ?」
呆然としているわたしをよそに、沢田さんはテキトーなプリクラ機の中に入り込む。
そして勝手に機械に400円を投入され、我に返った。
「ちょっ、沢田さ…あの!」
「なにー?先に誘ったのはそっちなんだからな」
急展開に思考が追いついていない。
そんな間にも沢田さんは肌の明るさや背景などぽんぽん決めていってしまう。
そして機械から「撮影スタート!」と可愛らしい女の子の声が再生される。
カメラに映っている自分の顔は非常にアホ面だった。
「ほら、ピースピース」
沢田さんがわたしの肩を抱き寄せながら、カメラにピースサインを決める。
わたしも堅い表情のまま、ピースを作った。