あおぞら。
そのまま3枚ほど普通のプリクラを撮る。
もしかして、からかわれたのだろうかと思い始め、5枚目の撮影が始まるころ、沢田さんに肩を掴まれた。
「ほらこっち向いて。チューしてあげるから」
機械から「3、2、」とカウントされるころ、わたしたちは唇を重ねた。
紛う事なき、ファーストキスだ。
カシャリ、とシャッター音が鳴ってから少しして、唇が離れた。
撮られた画像が機械の画面に映ったのを見て、絶望した。
わたしの目がガン開きだった。
そして沢田さんの顔も移っておらず、目がガン開きのわたしの横顔を沢田さんの後頭部で隠されている、チュープリとはほど遠い画だった。
さすがに沢田さんも失敗するとは思っていなかったようで、苦笑いだった。
その時、機械から再び撮影をスタートする声が聞こえる。
最後の1枚の撮影だ。
「よし、もう一回!リベンジ!」
「えぇっ?」
半ば強引に沢田さんと唇を重ねる。
さすがに2回も失敗はしたくなかったので、わたしは素直に目を閉じた。