あおぞら。
撮影が終了して落書きコーナーへ移動する。
キスに関する垂直な感想は、“キスっていうより接触だな”と思う程度で、レモン味などもってのほかだった。
落書きコーナーの長椅子に腰掛け一息。
落書き画面は、撮影画像を読み込んでおり“ちょっと待ってね!”と表示されている。
「濃厚なほう、してみようか?」
「!!!!」
隣に座る沢田さんがわたしを見て言った。
「めっ…命令はちゃんと聞いたでしょ!もう疲れたからいいよ…」
そう、命令はもう終わった。
プリクラの撮影が終わったから、もうキスする理由はないのだ。
なのに、
拒絶してるのに、沢田さんが真っ直ぐな綺麗な目でわたしを見るので
その目をもっと見たくて
近くで見たくて
気がついたら、またキスをしていた。
“単なる接触”とは思いがたい、甘い甘いキスを。