あおぞら。
「ほら、ここだよ俺んち」
着いたのは、繁華街から少し離れにあるこじゃれたマンションだった。
セキュリティーのしっかりしたマンションで、玄関先のインターフォンの下にある鍵穴に鍵を差し込んで回し、ガションと施錠の解かれる音とともにエレベーター前の自動ドアが開かれる。
4、5名程度が限界の小さなエレベーターに乗り、沢田さんは5階を押した。
5階に着き、エレベーターを降りてから3つ目の扉の前に立ち、ドアノブにある鍵穴に先程とは別の鍵を差し込んだ。
「入っていいよ。ようこそ俺んちへ!」
狭い玄関で靴を脱ぐ。
玄関の左隣には小さめのキッチンがあった。
まっすぐ進むと広めのリビング。
大きめなソファにベッド、真ん中に四角いテーブルがあり、テーブルの上にはパソコンがある。
冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器なども隅っこに置いてある。
テーブルの向かいには大きめの本棚、その上に液晶テレビもあった。
なによりも、部屋の壁をレプリカの植物で程良く彩っていて、とても可愛らしい印象だ。