あおぞら。
「わたしで良ければ、お聞きしますよ」
幸い店はガラガラ。近藤さんもこのタイミングを見計らったのだろう。
「……彼女が妊娠しちゃったかもしれないんだよね」
わお。
見事なまでにプライベートだ。
「えっ…と……産ませるんですか?」
「無理だよ!!」
無理なのか。
「いや、彼女が嫌いとかじゃなくてタイミングがさ、俺もフリーターだし養えるほど貯金あるわけでもないし、もちろん彼女も俺がそんなんだってわかってるだろうけど、迷ってるみたいでさ…。」
中絶。
もちろん経験はないけど、高校の頃にはクラスに数名ほどいた。
しかしいつ自分の身に降り懸かるかもわからない問題。軽々しく答えられはしない。