あおぞら。
「な、にを、言って…」
「もう就職決まってんだ」
「う、嘘、そんなわけ…、だってまだ6月…」
「こんな嘘つかないよ。まぁ証明もできないけど…。IT関係の会社なんだ」
これが高卒と大卒(見込み)の差なのだろう。
わかっているとはいえ、突きつけられた現実に、わたしは絶望した。
というか、自分が情けなくて仕方なくなった。
「命令いっこだっけ?」
そらがにやにやしながらわたしを見る。
彼の考えている命令など、言わずともわかっている。
「こんなのずるい!勝敗が決まってるのをわかってて煽るなんて卑怯!」
「なんとでも言えばいいさ。勝負をふっかけたのは葵だからね」
頬を膨らませるわたしを見ながらくすくす笑って、優しい声で言った。
「春から同棲ね」