あおぞら。




「な、にを、言って…」

「もう就職決まってんだ」

「う、嘘、そんなわけ…、だってまだ6月…」

「こんな嘘つかないよ。まぁ証明もできないけど…。IT関係の会社なんだ」



これが高卒と大卒(見込み)の差なのだろう。

わかっているとはいえ、突きつけられた現実に、わたしは絶望した。


というか、自分が情けなくて仕方なくなった。



「命令いっこだっけ?」



そらがにやにやしながらわたしを見る。

彼の考えている命令など、言わずともわかっている。



「こんなのずるい!勝敗が決まってるのをわかってて煽るなんて卑怯!」

「なんとでも言えばいいさ。勝負をふっかけたのは葵だからね」



頬を膨らませるわたしを見ながらくすくす笑って、優しい声で言った。




「春から同棲ね」




< 46 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop