あおぞら。
ひとしきり絶望し、わたしは前に向き直った。
わたしが目指すのは自立した、一般的な女性だ。
家族に甘え、彼氏にも甘えるぬるま湯生活、居心地が悪いと言えば嘘になるがいつまでも浸かっているわけにはいかない。
要は、春までに就職すればいいんだ。
バイトの合間に面接を繰り返す日々が3ヶ月ほど続いた。
『では、初めに自己PRをお願いします』
『当社を選んだ志望動機を聞かせてください』
『卒業後はアルバイトをやっているそうですが、就職のために資格取得の勉強などはされてないのですか』
気が狂いそうだった。
それでも挫けるわけにはいかなかった。
そして9月に入った時、ようやく“ご縁”を見つけた。
「じゃあ、来週からよろしくね」
人柄の良さそうな30代ほどの男性が微笑みかけた。
「はいっ」