あおぞら。
スーツ姿のまま、病院に向かった。
真実を知るのが怖かったが、知らずにはいられなかった。
診断結果に、男性医師は「おめでとうございます」と微笑んだ。
妊娠した。
わたしが。
夢でもみているような、いっそ夢であってほしいとさえ思った。
呆然とするわたしを見て、医師は“中絶同意書”なるものを持たせてくれた。
医師はわたしを安心させようとしているのか、「早ければ体の負担も少なく済むから」と言った。
はやく、そらに会いたい。
はやく、はやく。
病院を出ると、足早にアパートに向かった。