あおぞら。
「じゃ、行ってきまーす」
「行ってらっしゃい」
そらはいつものように大学に行く。
早く単位を取り終え、入社までにバイトをしたいらしく彼なりに考えているようだ。
今週末にはわたしの両親に挨拶に行く。
その翌週にはそらの実家まで一緒にいくつもりだ。
部屋はあまり綺麗ではないくせに、意外としっかりしていて計画的だ。
でき婚など今の世の中珍しくはないけど、決していい顔はされないだろう。
正直、まだ母親になる実感もないし不安だらけだ。
けれど、そらと一緒ならば乗り越えられる気がしていた。
わたしはソファーに腰掛け、まだ命の主張をしないお腹を撫でながら、ぼんやりと夕飯のメニューを考えていた。