キミに会いたい
しばらく歩くと、使われてない家らしき物が見えてきた。
ボロボロな木造住宅だった。
「使われてないのかな?こんなにボロボロだったら、そうだよね。
綺麗にリフォームしなきゃ♪」
日頃から日曜大工は好きだったから、全然苦じゃなかったりする。
ほこりまみれな床を拭き掃除して
腐った木材を近くにあった新しいものと取り替えて付け替える。
窯や井戸も綺麗にすると
たんすに綺麗な赤い布切れがあったため、制服のポケットに入ってあったソーイングセットを使って浴衣を作ってみた。
そして、母に教えて貰った方法で着付けてみると思わず笑みがこぼれる。
「出来た!結構サマになってるんじゃない?」
「確かに似合うな、お前。」
「うんうん、私ってば器用だよね‥って!あなた誰よ?!いつの間にっ!」
自分以外の声が後ろから聞こえて振り向いてみると、
長髪、長身の美男子が立っていた。