キミに会いたい
第二章
「えぇ?!」
「なんだよ?」
驚いてる私を疑わしげに見てくる彼に慌てて首を横に振る。
「いえ、なんでもないわ。」
ビックリしたー‥
いきなり目的の人物に会うなんて信じられないけど、ついてたわ。
知り合いになって彼を守らなくちゃ約束果たせないわね。
「なぁ、何黙ってんだよ。お前は何者だ?」
考え込んでいた私の顔を覗き込んで
聞いてきた。
「‥って、近いわよ!」
思わずビクッと肩を揺らして一歩飛び退いた私を見た彼は、一瞬きょとんとした表情になった。
「な、なんだよ。」
「あっ!あんたが、いきなり顔近づけるからでしょ!?」
頬を染めたまま見上げると彼は口角を上げて、笑った。
「お前‥生娘だな。初な反応しやがって。」
クスクス笑う彼の様子に自分の顔に熱が集まったのが分かった。
「笑わないでよ‥っ!それに私は、木谷 春乃っていう立派な名前があるの!お前だなんて呼ばないで!」
名前を言った途端に彼は笑うのを止めて近づいてきた。