キミに会いたい



こうして彼と一緒に、この家で暮らすことになってから

 1ヶ月経った。

 江戸時代の家事を知らなかった私は彼に必死に頼んで色々教えて貰った為、ようやく江戸時代に慣れてきた。

ある日のこと。

いつものように朝食を食べていた私は、ずっと気になっていた事を彼に聞いてみた。


「ねぇ、渉。いつも食事の材料を沢山持って帰ってきてくれるのは嬉しいんだけど‥どこで買ってるの?」


てんこ盛りの麦ご飯が入ってる茶碗を持っている彼が、

 私の作った煮物をいつものように凄い勢いで食べていた。
急な質問に急いで食べ物を飲み込んだ彼は、平然とした態度で

こう言った。

「何を今更。春乃、知らなかったか?俺の幼なじみの店が八百屋でな。そいつに貰ってたんだよ。」

‥って事は、タダで食材貰ってたってこと!?
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