キミに会いたい


 黙ってきいていた私だけど、あることに気づいた。

ん‥?ちょっと待って!

「違うでしょ!恋仲って、付き合ってる男女の事だよね?私と渉は恋仲なんかじゃないの!」

 私は、すぐさま誤解を解いた。

 「‥チッ!」

 頭上で渉の舌打ちが聞こえたことに苦笑いした。

「なんだ、恋仲じゃないのか。」

 分かってくれたと思っていたら、夜城さんから驚く発言が飛び出した。

  「なるほど。だったら、僕が陽子さんと恋仲になって良いよね?」

 「そうそう‥って、え?誰と誰が?」

  ビックリしすぎて、思わず聞き返した私。


「僕と春乃さんが。」

「えっと、何に?」

「‥恋仲に。」
「‥なんで?!」
「なんでって、一目惚れしたみたいだ。」

 素敵な笑顔で、堂々と想いを告げる夜城さん。

 それが原因で街中の人々に注目される私。



拝啓 お母さん
こちらの世界に来て初対面の美男子に告白されちゃいました。


「「うそでしょ(だろ)ー!?」」

 あまりの出来事に
 私達は叫ばずには、いられませんでした。

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