キミに会いたい

「なんだぁ?ねーちゃんが相手してくれんのか?あ゛?」

「‥っ‥…いや!」

グイッと腕を掴まれ目の前に立たされた。


「お姉ちゃん!!!」


泣きそうな顔で、声をあげる類に大丈夫だよと小さく笑った。

すると気に触ったのか、

「てめぇ、なに笑ってんだよ!」

私の右頬めがけて叩こうとした―――


(叩かれる…‥っ!)と思い、怖くなってギュッと目を瞑った。


パシッ――――

(あれ…‥‥?)

恐る恐る目を開けると


私に手を上げようとした男の手首を掴み、

捻り上げている見慣れた背中があった。
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