キミに会いたい
「渉!どうし‥っ!」
どうして、と聞く前に振り向いてギュッと抱き締められた。
(渉‥?泣いてるの?)
私の肩に顔をうずめていたからなのか、涙に濡れていた。
しばらく抱き締められていると、渉は涙を拭って体を離しすと真剣な表情で言い放った。
「馬鹿か、お前!なに危ない事してんだよ!!!
俺が来なかったら、大怪我してたんだぞ!!!
下手したら命を落としていたかもしれないじゃねーか!!!」
(こんなに怒ってる渉、初めて見た‥)
「ごめんなさい!類が危ないと思って、助けたくて‥!」
今更怖くなってきた実感と、
渉が助けてくれた安心感で
涙が零れ落ちてくる。
「春乃。だから言っただろ?この時代では、俺が守ってやる。
――だけど危ないまねは二度とするな。」
頭をポンポンと撫でられながら、しっかりと頷いた。
渉side*********
「――‐約束だ。」
そう言って、約束の印(シルシ)に、春乃の額に口付ける。
涙目で頬を赤らめたまま安心したかのように、ギュッと抱き付く春乃を優しく包み込むように抱き締めた。
(‥…絶対、守ってやるからな。俺の命に代えても―――)