キミに会いたい
「んっ‥、あれ?なんで私、水の上に立ってるの?」
目を開けて辺りを見渡すと、大きな桜木に人が持たれかかっていた。
白い空間の中だからか
ぼやける視界に目を凝らして、その人物に焦点を合わせてみた。
あれって‥人だよね?
着物姿だけど、お腹の部分が赤く染まってる。
まるで、血みたい‥って血なの!?
大変だっ‥、と慌てた春乃は倒れている人物に近づき様子を伺ってみる。
「あの…っ、大丈夫ですか?」
恐る恐る顔を覗き込んで声を掛けてみるが、反応がない。