あの時も、これからも
「海斗んち」
きっと姉はしるふの声が沈んでいるのに気が付いている
目ざとい人ばっかりだなー、と海斗や医局長、芳川、姉の顔を思いうかべる
「海斗くんち?ってわかんないな」
綺麗なマンションては聞いたけどと困ったようにつぶやく姉に苦笑する
「駅まで行くからさ、迎え頼んでい良い?」
「おっけー、速人さ、駅ならわかるよね?しるふ迎えに行ってきて。間違っても連れ去ったりしないでね、末代まで祟ってやるわよ」
電話の向こうで速人の「祟られてもしるふ相手なら連れ去るかも」という冗談交じりの声が聞こえてしるふは微笑む
「ったく、あいつは。で、今からだから20分くらいかな?駅で」
「うん。ありがとう」
そういって電話を切る
もう一度写真に視線を注いだ後、しるふはカバンを手にして部屋を後にする
姉と速人は経営しているバーの近くに住んでいる
実家までもそう遠くないのだけれど、バーだから帰宅時間が遅くなる、と幼い娘を抱える由斗家族を気遣った結果だ
しるふのアパートよりは格段に広くて、きれい
早だけ見れば戸建て並みだよね、と感想を抱く海斗のマンションよりは狭いけれど、それでも4LDKを誇る
速人に連れられて到着した時にはテーブルの上にいろいろな料理が並んでいた
きっと姉はしるふの声が沈んでいるのに気が付いている
目ざとい人ばっかりだなー、と海斗や医局長、芳川、姉の顔を思いうかべる
「海斗くんち?ってわかんないな」
綺麗なマンションては聞いたけどと困ったようにつぶやく姉に苦笑する
「駅まで行くからさ、迎え頼んでい良い?」
「おっけー、速人さ、駅ならわかるよね?しるふ迎えに行ってきて。間違っても連れ去ったりしないでね、末代まで祟ってやるわよ」
電話の向こうで速人の「祟られてもしるふ相手なら連れ去るかも」という冗談交じりの声が聞こえてしるふは微笑む
「ったく、あいつは。で、今からだから20分くらいかな?駅で」
「うん。ありがとう」
そういって電話を切る
もう一度写真に視線を注いだ後、しるふはカバンを手にして部屋を後にする
姉と速人は経営しているバーの近くに住んでいる
実家までもそう遠くないのだけれど、バーだから帰宅時間が遅くなる、と幼い娘を抱える由斗家族を気遣った結果だ
しるふのアパートよりは格段に広くて、きれい
早だけ見れば戸建て並みだよね、と感想を抱く海斗のマンションよりは狭いけれど、それでも4LDKを誇る
速人に連れられて到着した時にはテーブルの上にいろいろな料理が並んでいた