あの時も、これからも
「忙しいだろうから別にうちに来なくていいよ?雪ねーも由斗にーも海斗のことよく知ってるし、電話で結婚するからーって言えば、わかったーってなると思うよ」

特に姉は

ガッツポーズの後にどんちゃん騒ぎだろうな

あれだけ「さっさと責任とってね」って海斗に言い続けていたのだから

「いや、それはけじめとしてちゃんと行っておくべきだろう」

「えー、いいよ。さっさと黒崎病院に帰ってきてよ。三月って忙しいんだよ?」

いや、知ってるけど…

「それとこれとは問題が違うだろう。けじめはちゃんとつけておくべきものだって」

「だって海斗のうちにも行かないといけないでしょ?海斗のお母さんのお墓参りもしたいし、ほら、やることいっぱい。大変だよ」

指折り数えて海斗に見せる

「うちこそ削っていい。姉貴に電話すれば一発だし。反対なんてされないだろうし」

「いやいや、沙希さんには私一回しかあってないもん。ちゃんとあいさつに行きたい」

「いいよ。そのうち嫌でも顔合せるんだから」

「だったらうちにだって改まって挨拶なんてしなくていいよ」

知らない仲じゃないんだしさ

「しるふは貰われる側だろ?もらう側はさておき、貰われる側にはしっかりあいさつしないと」

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