あの時も、これからも
「うん。ちゃんとポストに入ってたよ。にしてもこれよく見つけたね。オルゴール博物館とか行ってもなかったのに」

オルゴールになるのはすごく売れた曲とか、クラシック

それこそカノンとかエリーゼのためにとか

なかなか私がどうしても欲しいと思う曲はオルゴールにはならない

「特注ってやつ」

たまたま見つけたオルゴール屋さんと仲良くなってね

「へー、頼んでくれたんだ。こういう時海斗の愛を感じられるのよねー」

「こういう時って、失礼な」

いつもだろう?

「まさかー。淡泊が売りの海斗君だもん。日々小さいとこに愛を感じないと4年も隣に居れないわよ」

ま、それに気づければ嫉妬も焼きもちも焼いてくれないことなんて特に気にならないのだけれど

「いつか言おうと思ってたんだけど、俺はそこまで淡泊じゃない」

「どこからその言葉が出てくるかなー」

「その言葉、そっくりそのまま返す」

他愛のない話

それがとっても愛しいんだ

こうして電話口から海斗の声が聞こえて、海斗がどんな顔をしてるのかがなんとなくわかって

あわよくば隣に居てほしいなって思うけど、でもこうして想われていることが、想っていることがわかるから

こんなにも優しい気持ちになれるんだ


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