あの時も、これからも
「私が、海斗にふさわしくないとか言いたい?」

腹をくくった

争いことは好きじゃないけど、先手を打ってそれで海斗を守れるなら

海斗がしてくれているみたいに小さな芽を摘めるのなら

真正面から向き合ってやろうじゃないの

凛とした響きのあるしるふの言葉に、大きな瞳を不機嫌そうに少し細める

「…この間ね、ドイツに行ってきたのよ」

やっぱり、この人が望月花蓮か

海斗曰く、変に度胸があるから面倒くさいらしい

もう少ししおらしいか、謙遜てものを覚えてくれるといいんだが…

そう、少しうんざりとつぶやいた海斗の声が記憶に新しい

「彼に、海斗君にあって来た。泊めてくれたわよ、部屋に」

そこで何があったかはご想像にお任せするわ

挑発的に響く声に、しるふはむっと瞳を細める

そう来たか

「だから?それで私の不安を煽ったつもり?悪いけど、それくらいじゃ揺らがないから」

決めたんだ

何があっても信じると

あいつが、私を悲しませるようなことするはずがない

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