あの時も、これからも
こういうとこやっぱりお嬢様的思考かもしれない…

「私、海斗からあなたが一番面倒だって言われたんだけど」

「ええ、もちろん。あなたのこと気に入らなかったら何が何でも別れさせるつもりだったもの」

きっと、そういうところが面倒だって言ったのよ、海斗君は

「彼は知ってるから、私がやると言ったらやる女だってこと」

「はあ…」

「あ、そうだ。彼の部屋泊まったって嘘だから。そうそう部屋に女を上げる男じゃないからね」

はあ、笑ったわー、そういって花蓮はくるっと踵を返す

呆気にとられてその背を見送ったしるふは、

「……ラスボスは、意外といい人だったよ、海斗」

ぼそっとここにはいない恋人につぶやく

「あ、そうそう、言い忘れてた」

「はい!?」

にこにこと戻ってきた花蓮に再び驚く

どこまで予想の上を行くんだ

「海斗君のことよろしくね、それと別れたりしたら絶対許さないから」

びしっと指を差されて、固まるしるふに、じゃね、とさわやかに去っていく

あれは意外と海斗も振り回されるパターンだな

そのことにふと思い当たり、面倒くさい、と意味をようやく理解したしるふだった
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