あの時も、これからも
「って、どういうことよ!!話と全然違うんだけど!!望月花蓮さん、ふつーに良い人じゃん!!」

警戒して損した!!

事の週末を海斗に電話で伝えたしるふは、海斗が面倒臭い女だっていうからもっとねちねちとしたやっかみを想像していて、腹をくくっていたのだ

なのにあれじゃ、取り越し苦労もいいところだ

「だから言ったろう?面倒な女だって」

「だーかーらー!!」

花蓮のしるふへの反応を聞いても少しも驚かない海斗は、花蓮がああいう人だとわかっていたようだ

「ころころ表情も言葉使いも変わるんだよ、あの女は。何考えてるかわかったもんじゃない」

それでこっちがどんな迷惑をこうむるか考えてもいない

もしかしたら一番お嬢様気質の強い人かもしれない

「だったらそういってくれればいいじゃない!!」

「あいつに何言ったって自分で確かめないと認めないんだよ。だから確実しるふに会いに行くとは思ってた」

「じゃあ、なんで最初に言ってくれなかったの?そんなに悪い人じゃないよって、ただちょっと人をからかうというか、試すというか、なだけだって」

不満そうにぶつぶつつぶやくしるふに、海斗は小さく笑う

「最初から分かってたら、しるふは強気で出ないだろう?それじゃきっとあいつは認めない」

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