あの時も、これからも
「何、そのいろいろ見越したような言葉!!結局海斗の掌の上ってわけ!?」

面白くないわ!!

「腹くくって損した!!海斗も海斗よ!!てか、海斗が初めから言ってくれればよかったのよ!!そんなに私をいじって面白い?」

もし目の前にしるふがいたらなだめるために頭でも撫でるのだが、残念ながら今二人をつなぐのは電話だ

「まあ、そう怒るなよ。意外と気が合うと思うけど、望月としるふは」

「そういう問題じゃないわ!!」

間髪入れずに言い返してくるしるふは、相当ご立腹のようだ

「大体、だったらなんで海斗にあきらめない宣言したのよ」

「あいつは俺も試してたからな」

「海斗がどれくらい本気かってこと?」

「そ、どれくらい腹くくってるかってこと。だから面倒なんだよ、あの女は」

わかったろう?

「わかった。よーくわかった、世の中いろんな人がいるってこと」

でもま、後味は悪くないか

ふとそのことに思い当たったしるふは、ふふっと小さく微笑む

「それよりもしるふ、お前、今日も男に引っかかったんだってな」

声音が変わり、追求するような、少し怒ったような声になった

「へ?」

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