あの時も、これからも
海斗の背に腕を回したしるふは、そっと瞳を閉じる

決してこの温もりを忘れないように

この温もりがなくてもしっかりと立っていられるように

「…でも、一年しか待たないからね」

それ以上待たせたら他の男のところ行ってやるんだから

そうつぶやくと耳元で海斗の笑う声がする

「ああ、一年以上待たせるつもりはないよ。姫さんはそこまで我慢強くないからな」

寂しがり屋だし

「失礼ねー、一年も待つのよ?十分我慢強いじゃない」

一年だよ?朝と昼と夜が365回

それが短いってどういう神経よ

不機嫌そうな声音を聞き取ったのか、海斗がふっと笑う

「ああ、そうだな」

そういうや否や海斗はもっと強くしるふを抱きしめた

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