あの時も、これからも
「いや、でもちゃんと海斗の成長を感じたよ」

今までこんなにきちんとメール返してくれたことなかったもんね

「外国に行くなんて今までなかったから、きっと不安がるであろう我が彼女のいらない心的疲労を少しでも軽減してやろうっていう俺の気遣いも慮ってほしいね」

「はいはーい、わかってますよ」

そう、わかってる

海斗が結構気を使ってくれていること

去年の秋に海斗が国内で4か月ほど長期出張した時はここまで徹底してメールは返ってこなかった

それでもあれは国内だし

長くても半年という出張だった

会いたいと思えばいつでも飛んで行けた

でも今はそれができない

そのことがしるふに与える不安を海斗は懸念しているのだろう

「でもさー、メールがこんなに返ってくると返ってこなくなったときにすごーくショックを受けそうなんだけど」

「その時は忙しいんだな、と思ってくれればいいよ」

「えー、浮気じゃなくて?」

「お前な…」

楽しんでるだろう…という海斗の呆れたでも鋭い指摘にしるふは

「あ?気が付いた?これだけ言っておけばさ、どんなに色っぽいおねーさんに言い寄られても浮気なんてできないかなって踏んだんだけど」

どう?
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