あの時も、これからも
一方、

講義とその後の患者対応が落ち着いて一息ついていた海斗は、ふと触れた携帯が光っていることに気が付いた

ロックを解除すると不在着信が一件

黒崎病院ER発だ

医局長だろうか

首をかしげながらかけ直すと

「はい、黒崎病院高度救命救急センターです」

「飯田か?」

ナースステーションにいた莉彩が出たらしい

「っ黒崎先生!!!」

瞬間受話器から洩れんばかりの声で叫ばれた

「何考えてるんですか!!!」

「何が?」

あまり叫ぶと腹の子によくないのではないか、と頭をよぎるがいうタイミングがない

「しるふの合コン参加を容認するとか、それが彼氏のすることですか!!!お持ち帰りでもされたらどうするって言うんですか!!!!」

「ああ、それか」

ついこの間の電話で飛び出した合コン参加宣言

奴らしい発想だと海斗は笑い飛ばしたけれど

「今遠距離中なのわかってます?会いたいって言って会える距離じゃないの、わかってます?」

相当ご立腹のようだ
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