あの時も、これからも

そうやって改めて海斗への想いと海斗からの想いを実感したしるふは、天気のいい日が続く中

仕事に明け暮れていた

そんなある日、夕日がまぶしいころに医局に響く元気のいい声が反響した

「こんにちはー!」

廊下にいた看護師たちが誰だろうと目を向ける

そこにいたのはショートかったの髪を内側に巻いたかわいい女の子

「こんにちはー。黒崎先生っていらっしゃいます?」

笑顔でそうたずねてくる少女に医局員たちは怪訝そうに首をかしげる

またいつもの海斗目当ての強行訪問だろうか

怪訝そうに眉を寄せる黒崎病院の面々を気にする風もなくその少女は医局の中を首を伸ばして覗く

「黒崎先生は現在出張中。用があるなら私が聞くけど?」

明らかに喧嘩腰の園田が医局から出てきて少女に近寄る

「えー、せっかくわざわざ来たのに…」

いつでも来ていいって言ったじゃん

ぶつぶつ不満そうにつぶやく少女に園田がさらに眉を寄せる

「また黒崎先生目当てですかね」

ICUにいたしるふに莉彩が小声で耳打ちする

かもね、と苦笑しながらしるふはICUを後にする