あの時も、これからも

懐かしき?宮本令嬢妊娠事件（デマ）の時だ

あのとき長期出張していた病院の看護師

「で、その看護師さんが何の用ですか」

声は落ち着いたけれど未だに警戒心を解いていない園田が智香をにらむ

「だから黒崎先生の彼女さんに会いに来たんですよ」

さっきから言ってるじゃないですか

「だから何用よ」

「んー、話せば長くなるんですけどー…黒崎先生がいれば話は早いのになー」

口元に人差し指を当てて天井を見上げる智香にしるふが口を開く

「私今日そろそろ上がりだからそれまで待っててくれる?そしたら電話してみるから」

「立花先生!!」

隣から園田の制止が入るが、しるふは大丈夫というように微笑み返す

「わっかりましたー。ついでだから黒崎病院をゆーっくり見たいと思ってたし」

そういって違う医局に行こうとした智香はふと気が付いてしるふを振り返る

「って、もしかして黒崎先生の彼女さんですか?」

「うん、一応、ね」

その無邪気な瞳にしるふは微笑む

たぶんこの子は海斗狙いじゃない

そう直感が告げている