あの時も、これからも
海斗狙いの人は、しるふを邪魔だと思っている人はこんな澄んだ瞳を向けてはこない

明らかに敵対心を持って接してくる

「ホントですか!!やっほ!!予想通りの人!!」

ぱちんと指を鳴らして喜ぶ智香は、じゃあ終わるころにまた来ますねー、と言い残して人ごみにまぎれてしまった

「…立花先生」

いつもより低い声で園田が見上げてくる

「何があったんだろうね。そこまで警戒しなくても大丈夫だと思うよ」

そう言い残して医局へと戻っていく

その背を園田は心配そうに見つめる

「とかいって何かあったらどうしてくれるんですかー。黒崎先生に怒られるとか絶対いやですよ」

3月に海斗から一年間しるふを頼むと言われた

しかも直々に

絶対にそこら辺の男どもと探りを入れてくる令嬢やらを近づけるなと

まさか開始二か月でしるふを危機にさらすわけにはいかない

黒崎先生、立花先生守り隊隊長のプライドにかけて(大袈裟な…)絶対にこの一年を乗り切ってみせるのだ

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