あの時も、これからも
「説明してもらえますかね、海斗君」

「んー、しるふに会いたいからいつか行くって言ってたんだよ。まさか本当に来るとは思わなかったけど」

「私に?」

なんで?

しるふの疑問に答えたのは向か側に座る智香だ

「4か月間、私のアプローチにすっこしもなびかなかった黒崎先生が、心底大切にしてる彼女さんに会ってみたかったんでーす」

しるふは智香の言葉に眉を寄せる

「ちょっとー、海斗さ、あんとき誰にもアプローチされてないって言ってなかった―?ばっちりされてんじゃない」

だから海斗は鈍感なのよ

もう、とほほを膨らませるしるふに海斗の笑い声が響く

「そうだっけか。ま、済んだことは忘れろよ」

「はーい、なんて水に流せるほど海斗のモテ振りは半端じゃないの。自覚しなさいよねー」

「はいはい、グチはまた今度聞くから。今は宮部の相手してやれって」

そいつは本当にしるふに会いたいだけなんだから

「わかってるわよ。そうやって他の子気にかけてるとね、浮気カウントしてやるんだからね」

しるふの不機嫌そうな声に海斗は楽しそうに笑って

肝に銘じておくよ。じゃな

そういってあっさりと電話を切ってしまった


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