あの時も、これからも
「はい、これ」
秋穂の店で一人窓際の席に座り、ゆっくりと紅茶を飲んでいたしるふの前にことん、と小さな皿に乗ったケーキがおかれる
不思議そうに顔を上げるしるふに秋穂は微笑みかける
「サービス」
「ありがとうございます」
ふと笑みを宿すしるふの向かい側の席に秋穂は腰かける
小さな店内は今、秋穂としるふだけだ
「しるふちゃんさ」
新作のケーキを突き始めたしるふに静かに問いかける
ケーキのひとかけを口に含んだしるふが、顔を上げて視線を合わせてくる
「寂しくない?」
突然の質問にしるふのブラウンの瞳が大きくなる
「いくら二人がお互いのことをすごく想っていても会いたいときに会えなかったら、そばにいてほしい時にそばに居なかったら、寂しいんじゃないかなって」
「…寂しくないって言ったら、それは嘘になると思うんです」
フォークを皿の上に置き、視線を少し下げてしるふは話し出す
その声はとても静かで、まるで凪いだ海のようだ
「海斗はずっとそばにいてくれたから、それが当たり前で。もちろん当たり前にならないようにって思ってるけど、それでもやっぱり気が付くと海斗がそばにいることが当たり前になってて」
秋穂の店で一人窓際の席に座り、ゆっくりと紅茶を飲んでいたしるふの前にことん、と小さな皿に乗ったケーキがおかれる
不思議そうに顔を上げるしるふに秋穂は微笑みかける
「サービス」
「ありがとうございます」
ふと笑みを宿すしるふの向かい側の席に秋穂は腰かける
小さな店内は今、秋穂としるふだけだ
「しるふちゃんさ」
新作のケーキを突き始めたしるふに静かに問いかける
ケーキのひとかけを口に含んだしるふが、顔を上げて視線を合わせてくる
「寂しくない?」
突然の質問にしるふのブラウンの瞳が大きくなる
「いくら二人がお互いのことをすごく想っていても会いたいときに会えなかったら、そばにいてほしい時にそばに居なかったら、寂しいんじゃないかなって」
「…寂しくないって言ったら、それは嘘になると思うんです」
フォークを皿の上に置き、視線を少し下げてしるふは話し出す
その声はとても静かで、まるで凪いだ海のようだ
「海斗はずっとそばにいてくれたから、それが当たり前で。もちろん当たり前にならないようにって思ってるけど、それでもやっぱり気が付くと海斗がそばにいることが当たり前になってて」