あの時も、これからも
7月に入るとさらに日差しは強さを増した

もう窓から外を見るだけで外出するのが億劫になるほど

だんだんと休日の活動時間が朝や夕方といった比較的日差しの弱い時間になり始めた

曇りでも紫外線はちゃんと降り注いでいるから気を抜けないし

かといって部屋の中が快適なわけじゃない

クーラーをずっとつけていると体が冷えるし、だからって窓を開けても全く涼しくない

たぶんこの時期もっとも過ごしやすいのは、患者のためにあまりクーラーを利かせていない、けれどひんやりをした空気の流れる医局なのだろうと毎年思う

ついでに部屋のつくりからして自分のアパートより海斗のマンションの方が涼しい

遮光カーテンを閉めてしまえば、室温はそうそう上がらない

はやが広いからクーラーをかけてもあまり冷えすぎることもない

だったらどうして同棲をしないんだ、とつくづく思う今日この頃

いや、そんなんじゃだめだ

外に出ていろいろなものに触れなければ

と思い起こししるふは一人、街道を歩いていた

がやがやと人の波が押し寄せる中、街路樹のおかげでところどころに木影ができている

ついでに昨今の省エネブームのおかげでガラス張りの窓につる植物を育てているビルが増えた

ガラスに反射した太陽は意外と暑いものだ

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