あの時も、これからも
よくそれで不意打ちを食らうしるふにとって緑のカーテン運動はかなりうれしいものだ

小さなショルダーバックを下げ、深緑のサンダルに

歩くたびにふわりふわりと揺れるロングスカートをはいてしるふはゆっくりとウインドウショッピングをしていた

よく海斗と行くお店の顔なじみの店員さんに「彼氏さんお元気ですかー」って聞かれたから

「今ドイツにいるんですー。最近忙しいのかメール減り始めたんですよねー」

と驚く店員さんをよそに愚痴ってきた

そう、最近海斗からのメールの返事が遅くなり始めた

それに比例して私が送るメールもだんだんと数を減らしている

だって相手からの返事がなかなか来ないのにメールするのって虚しいじゃないか

それに報告することがそうそうあるわけでもない

とかってやってるとあっさり振られたりしてね、とありもしないことを思って歩いていると

「しるふ?」

背後から記憶をくすぐる、だけどすぐに顔の出てこない声で呼ばれた

振り返って、声と記憶の中の顔が一致する

「櫻井さん」

そこに立っていたのは、大学生時代に1週間ほど恋人だった櫻井さん





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