あの時も、これからも
まだ折り返し地点にすら立っていないけれど、日々のメールに、何気ない瞬間にしるふを感じることができるから

メールの向こうですねているしるふを想い浮かべることができるから

想いは、変わらずここにあるから

海斗はふと微笑むと返信ボタンを押す

どんなに長いと感じても絶対に終わりはやってくる

少しずつだけれど、しっかりと確実に日本に帰る時が近づいている

愛おしい存在に会える日もその分近くなる

だから頑張ろう、と素直に思える



「何度もしつこい。浮気する時間があるなら寝てたいね。それよりしるふこそ気抜くなよ」



このメールを受け取ったしるふが、「しつこいって何よ!!海斗のばか!!」と叫ぶのが分かって、海斗は苦笑しながら送信ボタンを押した


優しい風が、開け放った窓から入ってきて、そっと部屋を撫でていく

その澄んだ空を見上げながら、海斗は想いを新たにするのだった
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