あの時も、これからも
「無理するなよ」

「うん」

「返事はできないかもしれないけど、メールは読んでるから」

「うん」

「ああ、あとどうしようもなくなったらいつでも来ていいから」

「…うん」

言葉が重なるほど心が温かくなっていく

ずるいなー

ホント、ずるい

「ねえ、」

海斗の変わらない優しさに触れたしるふは、優しい瞳で口を開く

「ん」

どうした、そう問いかける時と変わらない口調で海斗が続きを促す

「誕生日だからさ、ちょっとわがままな質問していい?」

「ああ」

「…私のこと、愛してる?」

時を重ねるほどに聞きづらくなっていく言葉

でも一番聞きたい言葉

「当たり前だろう」

「そか」

なら大丈夫だ

そっと瞳を閉じれば自然とそう思える

「ありがとう、海斗」

そう告げると電話のさきで海斗が相槌を打ちながら小さく笑う

そっと、そのぬくもりに触れた瞬間だった
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