もうすぐ夏なので怪談話でもおひとつ
 カレシは大柄な男で、それと間違えたんだから、ソイツも大男ですね。

 カレシは別の部屋で、返り血付きという屏風を眺めておりました。


 竜馬が出る、という噂はあるのだそうです。

 けれどわたしが感じたのは気配だけで、竜馬かどうかなんて知りません。


 その後、霊山歴史館を見学し、裏の墓地を散策しました。

 竜馬と慎太郎のお墓参りがしたかったらしいです、カレシ。

 え? こんな男、嫌だ? ごもっとも!(笑)


 さて、なんてこともなく、あちこちのお墓を巡り歩いていました。

 藩の合葬ということで、小さな祠が立ててあったりします。

 あれは何藩だったでしょうか。

 肥後だったかな?

 祠の傍まで近寄ったのですが、えらい剣幕で睨まれました。

「あー、はいはい。帰ればいいんでしょ、」

 なにか知りませんが、わたしは嫌われていたようでした。



 こっち来んな、帰れ!

 そんな気配をひしひしと感じたので帰りました。

 恨まれるような血筋なのかも知れませんね。
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