Girl's? collection 2
Approaching a typhoon
Don't like it
今日も彼女は嘆息した。
大きな机の上には書類の山。
赤黒いカーテンから差し込む小さな光。
茶色いふかふかカーペット。
壁には棚にびっしりとまるで図書館のように本がしまってある。
――というのも、ここ【生徒会室】には学校のすべての問題事が集まるのだ。その書類を処理は生徒会長が率先してやっていた。
「ふぅ……これだけやってもまだ半分か。」
葉月高校の生徒会長は、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、性格も良いという、完璧すぎる人だった。
しかし、そんな生徒会長にも大きな問題を抱え、頭を悩ませることがあった。
あの部活のことだ。服装違反常習犯たち。中でも一番の問題児はアイツだ。性別を偽ってまで女子の格好をするとは、その性格は到底理解に苦しむし、理解したくもなかった。
「…………下衆が…。」
書類への手は止めず、生徒会長――新田 灯衛(ニッタ トモエ)――は無意識に呟いた。