Girl's? collection 2
マリside
「好きな人とか、いるの?」
私が好きなのは早坂くんだよ。
最初はそう言おうかと思った。でも口から出たのは全く正反対の言葉。その言葉ですら嘘だと分かりやすく震えていた。
は、恥ずかしい……。
挙げ句の果てにはどんな人なのか聞かれ、最後に「私を助けてくれた人」と分かりやすいヒントを出した。
なのに……
「できた人だ。」
………。
わからない?
どれだけ鈍感なの!!
話していくうちに、なんだかだんだん笑えてきた。それを見て早坂くんはとても不思議そうな顔をした。それがなおさら笑えた。
今はこのままでいいかもしれない。だって一緒に笑えることがこんなにも嬉しいんだ。幸せなんだ。
でも。
できるならいつか……。
「ナオキ――【私、諦めないからね。】」
「へ?」
できるなら。
できるならいつか恋人として彼の隣にいたい。