Girl's? collection 2
準備室のいすにサヨが静かに座る。自分も近くの台に座る。最近また散らかっているように感じた。そろそろ掃除しなければ。
「単刀直入に言うとさ、なんかね……元々ハルカはこの学校に来る予定じゃなかったんだって。」
「へぇ…。って、ここって結構上の進学校だよな。それでも尚、上の所行く予定だったのか?」
「ま、そゆこと。家庭の事情で学費が安いここに決まったんだけど。」
そこで一旦口をつぐんだ。(サヨにしては珍しく)言葉を選んで、ゆっくりと話した。
「この学校きて驚いたみたいよ。みーんなつならなそうな顔をして。同じ服を着て、縮こまったようで。自由がないっていうか。なんだか狭い部屋に押し込められてるみたいだって言ってた。まぁ日本だったら当たり前なのにね。」
「日本だったら……?」
「うん。中学時代までアメリカいたんよ。一応純日本人だけどね。」
なんという爆弾発言。ハルカは帰国子女だったのか。ふと思って、恐る恐る尋ねた。
「親の事情っつうと、もしかしたら…」
サヨは頷く。
「お父さんが服のデザイナーみたい。だから海外にいつも飛び回ってるのよ。ご両親ラブラブみたいだからお母さんも一緒なんだって。」
サヨは懐かしむみたいに目を細めた。
「今は一人暮らししてるからお金もそこまでないと。でも服の力でみんなを元気にさせようと思ってるんだって。」
サヨの言ったことが本当ならハルカはどんなにすごいんだ。一人暮らしを始めて、この学校では自殺行為に等しい制服の改造。今ではオレたちがいるけれど、昔は部員なんていなかったにちがいない。
「革命…か。」
「そー。いつもはあんな感じだけど、努力の積み重ねで今の成績があるんよ。本当にがんばっとる…。だてにナルシストやってないんよ。」