Girl's? collection 2
toward
side ユズ
うわさが広まるのは、あっという間だった。
「本当にあの会長と・・・?」
「嘘だろ。だってあの会長だぜ?」
「でも、本人も肯定してるって。」
「ただのかせでしょ?」
「いやいや、昨日も一緒に帰ってたよ。」
「なんかショック・・・」
まさかあの会長と付き合っているなんて。誰も予想だにしなっただろう。私でさえ、最初は信じられなかった。だってあの【無自覚】が誰かと(しかもあの会長と)付き合うなんて。本人に確かめたらうなずいてしまうし。
自分のSクラスの教室はひどい騒ぎだ。あちこちであいつの話をしている。
「ハルカ様はどう思います?」
「うーん・・・どうって言われても、裏があるようにしか思えないよね。」
「ですわよね。」
「ユズはどう思う?」
「別に。」
「ふえーナオがねぇ・・・。」
わかっている。あのバカがほとんど機能していない脳を使って何か策を練っていることくらい。でも、でもどうして。今の私はこんなにもイラついているのだろう。
「まあでも、とりあえずは今の状況をキープさせておくのも手だよね。なんてったって文化祭近いんだし。」
「は?」
ハルカの言葉に思わず反応していた。よく見ると、ハルカはにやにやと笑っていた?
「どうしたのユズ?そんなにあわてて。」
やられた。
「わかってるよ。このままじゃいけないのは。あのあほが何言われたか知らないけど、あんな奴に頼らなくても私たちにはいくらだって手はあるんだから。」
その言葉に、なぜかホッとしていた。ふと我に返って、ヘッドホンに手をかける。
あいつは男。私の苦手な男。何ホッとしてんだ自分。
「さて、どうしよっかねぇー。」
サヨがエロ本を片手につぶやいた。