Girl's? collection 2
「そうだ、今日も帰りは遅くなるのだが、17時に生徒会室に来るように。」
そういって会長は自分の教室に入っていった。
ふう・・・。とりあえず役目は終わった。とりあえずは。
そういや、最近はナオになってないな。
会長と付き合うことになってから、ハルカはうるさく言うことはなくなった。少し意外だった。会長のことを警戒していたから今は作戦でも練っているのだろうか。
部活のことを思い出し、まだ時間が余っていたためなんとなく被服室に向かってみた。
特別等には人気がな、自分の静かな足音が廊下の端から端まで響いていた。
被服室の扉を開けようとしたときだった。中からわずかな物音がした気がした。小さく開いたドアの隙間から覗いてみる。ハルカだった。もう大方出来上がっている服を見てうーんとうなっている。
あいつ、朝からこんなことしてんのかよ。しかも服はもうほぼできてるじゃねえか。放課後の時間だけでも十分時間なんて足りるだろう。なんで・・・。
「あら、こんなところに害虫が。しかも我々の敵にデレデレしている最低最悪の生き物がいますわ。」
ギクッとして恐る恐る後ろを振り向く(いや、振り向かなくてもわかっているんだけども)。
「チョウ・・・。」
「こんなところで覗き見ですか。素晴らしい趣味ですわね。全く持って同意できませんけれど、きっとあなたのような人種はたくさんいるのですね。チョウチョウ勉強になりましたわ。」
「ち、違うわ!!物音がしたから覗いただけであって、そんな趣味では。」
「信じられませんけど、まあいいですわ。あなたは何しにここへ来たんですか?」
「なんとなくだよ。」
「あらそう・・・。」
「・・・ハルカは、」
「はい?」
「毎朝ここにきているのか?」
「当然ですわ。」
チョウチョウはハルカのいる教室のほうを見ながら微笑んだ。「部長ですもの。」その表情は柔らかく、オレに向けるものとは全く異なっていた。言葉なんていらないくらいの思いがうかがえた。
「本当にハルカのことが好きなんだな。」
「当然ですわ。」
見下すような顔でオレを見る。いや、実際見下してるんだけどさ。
「感謝してもし切れませんわ。」