Girl's? collection 2
何度も聞いて、そしてようやくマリさんは渋々言った。
「えー……なんていうか、優しい人。」
「ふんふん。」
「あと、かっこよくて、モテて、そして私を助けてくれた人。」
「なるほどね。そりゃあできた人だ。」
オレがそう言うとマリさんはガクッと肩を下げた。
「相変わらずだね早坂くんは…。」
「え、何が?」
「ううん。なんでもない。」
「でもそっか、マリさんの好きな人は幸せ者だな。きっと幸せ者だ。」
「そ、そうかな?」
そうだよ、と頷く。
「マリさんはすごく素直でオレからしたらすごく優しくてさ。だからきっと叶うよ。そんな気がする。」
「じゃあ早坂くんの好きな人も幸せ者だね。」
「うーん…オレまだ好きな人とかいないからな。」
「じゃあどんな人が好みなの?」
「普通に、一緒にいて楽しければそれでいいよ。こんな風に。」
「へ?」
しばらくして彼女はむっとした。
「早坂くんわざと?わざとだったら怒るよ?」
「え、なぜに?」
怒ったのか?なぜに?なんか勘に障ること言っただろうか。
そして、ぷっと突然笑い出す彼女。
何がそんなにおもしろいのかわからないが、まぁ楽しそうで何よりだ。
「あははっ!なんかもうおかしい……」
「え?え?」
「ううん、なんでもない!そうだ、いい加減私のことさん付けしなくていいよ。呼び捨てでさ。」
「あ、おう?じゃあオレのことも名前で呼んで。名字だとなんか他人行儀だし。」
「うん。そうだ、ナオキ――」
「何?」
「――【私、諦めないからね】。」
「へ?」
何のこと?
しかし彼女は笑うだけではっきりしたことは言わなかった。