エリートなあなたとの密約


言い知れぬ想いを抱く度、自嘲をして朝を迎えるのはいつものこと。


ベッドを出てリビングに向かい、お気に入りのアンティーク時計を見れば午前5時を回ったところ。


そのまま窓へと近づき、シャッと勢いよくカーテンを引いて大きな窓から臨む早朝の都会はどこか冷たい色をしていた。


腕を伸ばしてストレッチをしながら、ぼんやりと窓に映った自分の顔にふっと微笑む。


午前様の日々によってクマは常駐しているけれど、これが頑張っている証でもある。


そんな私より、出張中の修平はもっとタイトな日程で予定をこなしているだろう。


人生は上手くいかないことの方が多いから面白い。だから、押し潰されそうな時は悩んでも笑えば良いよね?……今が私たちの頑張り時だと。


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