エリートなあなたとの密約
すると残業中に束ねていたシュシュを取られた。その刹那、放射線状に髪の毛が四方にふわりと舞う。
少し乱れた髪を手櫛で梳くように骨ばった指先で何度も優しく撫でられると、このまま猫になりたくて仕方なくなる。
「コレすると、ココに帰ってきたって実感するな」
そんな私の顔を見ながら穏やかな笑みを浮かべて言う修平は、さらに頬や首筋にもその指でツーっと触れてくる。
「もうっ」と言いながらも、私にとってこの時間は何にも代え難い幸せなもの。
昼間に感じたあの寂しさなんて、塵となって呆気なく吹っ飛んでしまう。同時にやっぱり、彼のことが好きで仕方ないのだから重症だ。
確かめ合うような触れ合いは当然、唇へとあっけなく辿り着き、ひどく欲情したキスに変わってしまう。
その間にしなやかな指先が敏感な箇所もなぞるものだから、息継ぎさえ上手く出来なくなっていく。
離れていた分を埋めるような濃厚な絡みは、さらなる透明な液と水音を増すばかり。既に着衣は乱れていて、互いに欲して止まない状態だというのに。
「お風呂、入ろっか?」と、低重音の一層セクシーな声でコソッと囁かれた瞬間、ぞくりと身震いしてしまう。